誰の仕事か決まっていない業務に気づく人へ。曖昧なままでも、担当につなげばいい

整える暮らしシリーズ|職場のことを一人で抱えこまない 整える暮らし

早出には早出の仕事がある。日勤には日勤の、遅出には遅出の仕事がある。リーダーにはリーダーの仕事がある。

シフトごとに、やることは一応決まっている。

それでも、実際に何をするかは、その日の配置やリーダーの指示によって変わる。決まっているようで、決まりきっていない部分がある。

——そんな覚えのある人に向けて書きます。私も、介護の現場でリーダーをしていて、同じような場面によく出会います。

先に結論を言うと、仕事量そのものより、誰の仕事か決まっていないこと自体が負担になっている。気づいた時に、急ぎかどうかで、拾うか確認しに行くかを分ければいい。

担当が決まっていないまま置かれている介護施設の共用スペースの様子

シフトで役割は決まっていても、細かい雑務までは網羅できない

早出には早出の、遅出には遅出の役割があります。それでも、実際にどう動くかは、その日の配置とリーダーの指示によって変わります。

ある日は、離床介助に回ります。別の日は、フロアで食事の準備や誘導をします。ナースコールや見守りの対応がメインになる日もあります。

食事の準備やレクリエーションのような、時間ごとに必要な業務は、フロアにいるスタッフ全員で行います。基本はそのシフトの人がやりますが、状況によって他の人がフォローすることもあります。誰がどこまでやるのか、もともと曖昧な部分があります。

その中で、さらにやらなければいけないのに、担当が決まっていない業務が存在します。共用スペースの片付け。備品や消耗品の補充。申し送りや報告書の記録。マニュアルには載っていない、ちょっとした業務です。

気づく人と気づかない人で差が出る

共用スペースの片付けは、その一つです。誰の担当とも決まっていないまま、気づいた人が片付けます。

備品や消耗品の補充も、同じです。切らしていることに気づいた人が、補充します。

申し送りや記録にも、曖昧な部分があります。特に報告書は、発見した人が書くのか、その日のリーダーが書くのかで、意見が分かれることがあります。

利用者さんの持ち物や洗濯物の管理も、同じです。居室ごとに担当は決まっていますが、シフトの関係で担当者がいつもフロアにいるとは限りません。結局、日勤で余裕のあるスタッフが、少しずつ整理整頓していることがあります。

新人や実習生への対応も、一応は決まっています。中堅以上のスタッフが付くことになっていますが、夜勤のあるシフトの中では、常に同じ人が指導するのは難しく、指導の方針をすり合わせられないまま進むこともあります。

これらの業務に、気づく人と気づかない人がいます。気づいた人がやることが、ほとんどです。

シフトによる縦割り業務の中で、どのシフトにも明記されていない雑務について、リーダー陣に「この業務は誰がやるのか、決まっていないがどうするのか」という質問が来ることも、よくあります。

介護の現場に限らず、こうした「気づいた人がやる」という構造は、多くの職場にあると思います。

気づいた瞬間、まず自分の担当かどうかを確認する

「これは誰の仕事だろう」と気づいた瞬間、私はまず、時間と期限を確認します。今すぐしなければいけないことか、それとも余裕があることか、という確認です。

あわせて、自分の担当かどうかも確認します。担当でないと分かれば、次に、誰がやるべきかを確認します。

急ぎかどうかで、拾うか・確認しに行くかを決めている

以前は、こうした業務に気づくたびに、全部自分で拾っていました。

そうすると、自分の本来の仕事が後回しになります。日勤リーダーの日でも、定時で帰れずに残業することもありました。

抱えた仕事が多すぎて、何を拾ったこと自体を、覚えていられなくなることもありました。それで疲れてしまったことがきっかけで、今の基準に変わりました。

誰の仕事か曖昧な時は、急ぎかどうかで、拾うか・確認しに行くかを決める。

今すぐしなければいけないことなら、自分でやります。利用者さんに関わるような、その場で片付けないといけないことなら、確認している時間はありません。

実際に、こんなことがありました。食事の時間になって、エプロンや自助具の準備、食席への誘導、お茶の用意、口腔体操の声かけ——食事前にやることが、整っていませんでした。

食事前の準備が整っていない介護施設の食堂のテーブル

時間だけが迫っていたので、その場で一つずつ、自分で準備することになりました。慌てて動いた分、あとの予定が少しずつずれていきました。食後の口腔ケア用品の準備も、同じように、誰かが気づかないと抜けてしまうことがあります。

ただ、やりっぱなしにはしません。後で時間に余裕がある時に、担当者へ「あの仕事やっておいたよ。もともとはあなたの仕事だから、今度から忘れないようにね」と伝えます。責めすぎないように、言い方には気をつけています。

時間的に余裕があれば、自分ではやらず、担当者へ「あなたの仕事だから、やっておいて」と伝えます。共用スペースの整理のように、少し乱れていてもすぐ困らないことなら、そのまま様子を見ることもあります。

曖昧なまま放置すると、結局誰かがやることになる

曖昧なまま放置されると、そのまま残ることもあります。でも、最終的には、結局誰かがやることになります。私がやることも、珍しくありません。

放置されたままだと、次のシフトの人が気づいて片付けることもあれば、誰も気づかないまま残ることもあります。

誰がやるのか聞かれたら、まず相手に知っているかを聞く

さっきのような、準備が整わずバタバタした場面では、リーダーとして、スタッフから「これ誰の仕事ですか」と聞かれることもあります。その時は、まず本来の担当を相手が知っているかどうかを、聞き返します。

知っていれば、その人に伝えるように話します。担当が誰か分かっているなら、私が間に入らなくても、本人同士で解決できます。

知らなければ、私から説明して、その人に伝えるように言います。誰が担当なのかを、こちらが調べて渡す形です。

こちらも本当に分からない、つまり担当自体がまだ決まっていないことなら、その場で判断せず、リーダー陣やベテランスタッフと話し合います。一人で決めてしまうと、あとで食い違いが出ることもあるからです。

つないだあと、次回から動けるように説明することもある

担当者につないで終わりにしないこともあります。

次からは指示がなくても動けるように、これはあなたの担当だと、説明することもあります。その場で口頭で伝えるだけです。同じことで何度も質問が来ないように、その場で伝えておく、という一手間です。

介護の仕事に限らず、当てはまる場面だと思う

こうした「担当が曖昧な業務」は、介護の現場だけの話ではないと思います。シフト制の仕事や、複数人でチームを組む仕事にも、同じような場面はあると思います。

マニュアルや分担表だけでは拾いきれない細かな仕事もあります。どこまで担当を決めても、実際の現場では「これは誰がやる?」という場面が残ることがあります。

たとえば、オフィスの仕事でも、共有の備品や会議室の片付け、共有フォルダの整理のように、誰の担当か決まっていない作業はあると思います。仕事の種類が違っても、「気づいた人がやることになりやすい」という構造は、意外と共通しているのではないでしょうか。

大事なのは、曖昧さそのものをなくすことではなく、気づいた時にどう動くかを、自分の中で決めておくことです。介護以外でも、「誰がやるのか曖昧」という場面を考える時の一つの見方にはなります。

今日できる、小さな一歩

記録が整理された、落ち着いた介護施設の事務スペース

直近で「これは誰の仕事だろう」と思った場面を、一つ思い浮かべます。

その時、自分がすぐに拾ったのか、様子を見たのか、担当者に確認しに行ったのか、思い出してみます。

急ぎだったから拾ったのか、急ぎでなかったから確認しに行ったのか、その基準を一度、自分の中で見てみます。

今日はそれを確認するだけで十分です。

おわりに

担当が決まっていない業務は、誰の仕事にもなり得ます。気づいた時に、急ぎかどうかで拾うか確認しに行くかを分ければいい。

仕事量そのものではなく、担当が決まっていないこと自体が負担になっている。そこに気づけば、対応の仕方も見えてきます。

介護の仕事に限らず、担当がはっきりしない業務に悩んでいる人にも、この考え方が何か参考になればと思います。


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