「やりたいことがない」と焦る人へ。探す前に睡眠とお金の土台を見る

整える暮らし

SNSを開くと、誰かが新しい資格を取ったり、副業を始めたり、旅行に出かけたりしている。

それを見て、ふと考える。「自分は、何がしたいんだろう」。特に浮かばない。焦りだけが残る。

やりたいことを探さなきゃ、と思うほど、余計に何も浮かんでこない。——そんな人に向けて書きます。

先に結論を言うと、やりたいことを焦って探しても何も浮かばない日は、睡眠やお金の土台が先に揺れていることもあります。今は上に積む物を探すより、土台の揺れを一つ小さくする時期なのかもしれません。やりたいことがないまま、今の暮らしに特に困っていないなら、無理に探さなくても大丈夫です。

整えられた静かな寝室のベッド。夕方の柔らかい光が差す落ち着いた雰囲気

やりたいことが浮かばないのは、意欲がないからではない

まず言っておきたいのは、「やりたいことが見つからない」のは、あなたが空っぽだからでも、向上心がないからでもない、ということです。

新しいことを始めるには、それを考える余力がいります。今日をどう乗り切るかで頭がいっぱいの状態では、その先の「本当はどうしたいか」まで考える余裕は、なかなか出てきません。

SNSに映るのは、その人の暮らしの一部分です。資格を取ったことや、旅行へ行ったことは見えても、その期間にどれだけ眠れていたのか、家計がどうだったのかまでは見えません。無理をして寝不足のまま頑張っていたのかもしれないし、分割払いでやりくりしていたのかもしれません。見えている結果だけを、自分の暮らし全体と並べて焦らなくていいのだと思います。

土台が揺れていると、先のことまで考えにくい日がある

やりたいことを考える前に、先に確認したい場所があります。睡眠と、お金です。

どちらかが気になり続けていると、新しいことを考えるより、今日や今月をどう乗り切るかへ意識が向く日もあります。それは、向上心がないからではありません。

私の場合、翌日が休みだと分かっていると、つい夜更かししてしまうことがあります。「明日は休みだから」という気の緩みで、寝る時間がずるずる延びる。そのぶん、休みの朝は頭が重くて、体もだるい。休みの日にやろうと思っていたことに、結局手が付かないまま一日が終わることもあります。

お金のほうも同じです。給料日が近づいたり、クレジットカードの引き落とし日が近づいたりすると、口座の残高と生活費を、何度も頭の中で計算してしまう。買い物を一つ選ぶだけでも、そこに気を取られている感覚がありました。

そういう時期に、資格や副業、旅行のことまで考えられなくても、不思議ではないと思います。

今は上に積む物より、土台の揺れへ対応する時期なのかもしれません。

まず、土台のどちらが揺れているかを見る

やりたいことを探す代わりに、先に見ておきたいことがあります。

  • 眠る時間を、削る日が続いていないか。 夜勤や早番の前後に、必要以上に予定を詰めていないかを見ます。勤務の都合で十分に眠れない日があっても、自分を責める必要はありません。
  • 急な出費に、多少の備えがあるか。 貯金の総額でなく、「今すぐの小さな出費に、慌てずに対応できるか」だけを見ます。

どちらも、完璧でなくて構いません。土台は、ゼロか百かではなく、「今より少しだけ揺れが小さいか」で見るものだと思います。

木のテーブルに置かれた、硬貨と紙幣が少し入ったガラス瓶。柔らかい自然光

備えは、将来の目安と今日の一歩を分けていい

念のため書いておくと、生活防衛資金として「生活費の数か月分」という目安を、よく見かけます。これは将来的に備えておきたい目安であって、今日中に用意する最低ラインではありません。

今ほとんど備えがないなら、千円でも三千円でも、無理なく分けられる額から始められます。それだけで大きな出費に対応できるわけではありませんが、「急な小さな出費のために使えるお金が、別にある」という、最初の小さなクッションにはなります。

具体的な備え方は、別の記事でまとめています。ここでは、「備えが今の自分にとって揺れている場所かどうか」を確認できれば十分です。

夜勤と生活費の不安が重なる時期もある

これは、介護の仕事のなかでも、起きやすいと思います。

夜勤や早番が続くと、眠る時間が毎日同じになるとは限りません。手取りの中から家賃や生活費を出していると、急な通院や家電の故障が気になる月もあります。

そんな時期に、「もっと成長しなきゃ」「やりたいことを見つけなきゃ」と新しい課題まで増やすと、しんどくなることがあります。今は、やりたいことを探す時期ではなく、睡眠やお金の揺れを小さくする時期なのかもしれません。

焦らなくていい

今は、自己実現を後回しにしても大丈夫です。眠ることや、急な出費への小さな備えを優先する時期があってもいいと思います。

一方で、すでにやりたいことがある人は、土台が完璧に整うまで待つ必要はありません。好きなことや小さな挑戦が、しんどい時期を支えてくれることもあります。自分の今の余力に合わせて、決めればいいのだと思います。

やりたいことがないまま、今の暮らしに困っていないなら、それも一つの状態です。無理に何かを見つけようとしなくても大丈夫です。

今日できる、小さな一歩

もし一つだけ試すなら、次の質問だけ考えてみてください。

「今いちばん気になっているのは、睡眠とお金、どちらだろう。」

睡眠が気になるなら、今夜眠る時刻を一つ決めてみる。お金が気になるなら、無理のない少額を、別の場所に分けられるか見てみる。両方を一度に整えなくて大丈夫です。今日は、気になるほうを一つ選ぶだけで十分です。

窓辺の小さなテーブルに置かれた湯気の立つお茶。静かな部屋の柔らかい昼の光

おわりに

やりたいことを焦って探しても浮かばない日は、睡眠やお金の土台が、先に揺れていることもあるのだと思います。

土台は、完璧でなくていい。ただ、今より少し揺れが小さくなるだけで、その上に何かを積む余力が、少しずつ戻ってくることもあると思います。

焦って「やりたいこと」を探すより、まず今、どちらの土台が揺れているかを見ることから。それだけで、少し楽になることもあると思います。


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