何か変えようと思ったとき、変えたあとのことを考えて、なかなか決められないことがあります。
家具の配置を変えるだけなのに、失敗したらどうしようと迷う。新しいストレッチを始めるだけなのに、続けられるか不安になる。決断の中身に関係なく、同じくらい時間をかけて悩んでしまうことがあります。
私は、決断の重さを、内容の大きさだけでなく、「あとでどれくらい戻しやすいか」でも分けています。
戻しやすいものは、とりあえずやってみる
家具の配置、食事やサプリ、ストレッチや運動、瞑想のような生活習慣。職場でも、ちょっとした手順や物品の配置。
こうしたことは、変えてみて合わなければ、また元に戻せます。だから、あまり悩まずに試しています。
一人暮らしの部屋はキッチンが狭く、収納も少ないので、調味料やラップの置き場所は限られています。よく配置を変えるのはそのためです。使いにくければ、また元の場所に戻すだけです。
たとえば、ラップは置き場所がなく、キッチンの外にある食器棚に置いていました。使うたびに取りに行くのが不便で、冷蔵庫に貼るマグネット式のかごを試しに買ってみたところ、手が届く位置に置けて使いやすくなりました。安価なものだったので、合わなければ外して食器棚に戻すだけで済みます。

私は、こういうすぐ戻せる変更なら、考え込むより先に試しています。
サプリも、安価なものを少量から試してきました。16時間断食やストレッチ、寝る前のヨガニドラも同じです。
ただし、体調や安全に関わることは、「やめれば戻せる」というだけでは判断しません。始める前に、無理のない範囲かどうかも見ています。
たとえば16時間断食も、体調に違和感があればすぐにやめます。安く始められるからという理由だけで、続けることを目的にはしていません。
私は、安く始められるかどうかと、体調面で無理がないかどうかは分けて見ています。

家具を動かしてみて、使いにくければ元の場所に戻す。職場でも、物の置き場所を変えてみて、かえって不便なら元に戻す。戻す手間はあっても、それ以上のコストはかかりません。戻すこと自体を、失敗とは考えていません。
戻しにくいものは、時間をかけて考える
一方で、変更にお金がかかるものや、自分以外の人が関わってくるものは、簡単には戻せません。
高額な家具や家電を買うこと。着なくなった服を処分すること。職場全体に影響が出る書類の様式を変えること。
こうした決断は、あとから「やっぱり前のほうがよかった」と思っても、簡単には元に戻せません。お金がすでに使われていたり、処分した物がもう手元になかったり、他の人がもう新しいやり方で動き始めていたりするからです。
急ぎではないけれど、少し高価な家電を買うときは、時間をかけて考えます。スマートロックや、PCデスクを買ったときも、すぐには決めませんでした。買って組み立てたあとに「やっぱり違った」となれば、処分や買い替えに手間とお金がかかるからです。
PCデスクは、前のデスクをすでに処分していれば、元の配置には戻れません。置ける場所も限られているので、買い直すとなれば、また同じだけのスペースと予算が必要になります。数万円単位の買い物なので、気軽に買い直すこともできません。
私が見ているのは、値段そのものより、買ったあとに戻すためのコストです。

衣類を処分するときも同じです。手放してしまえば、もう同じものは戻ってきません。
職場で、新しい書類の様式を作るときも、時間をかけて考えます。一度その様式で運用を始めると、関わる人全員のやり方に影響します。自分だけの判断で元に戻すことはできません。
同じように迷ったときは、「失敗したあと戻せるか」を見る。
私は、戻す手間やお金まで含めて考える
「調味料の配置」と「PCデスクの購入」を比べると、PCデスクのほうが大きな決断に見えます。
でも、私が実際に時間をかけて考えているのは、金額の大きさではなく、戻すのにどれくらい手間やお金がかかるかです。調味料の配置は、気に入らなければすぐ元に戻せます。PCデスクは、戻すこと自体はできても、処分や買い替えの手間とお金がかかります。
戻しやすさにも、段階がある
戻せる・戻せないは、きっぱり二つに分かれるわけではありません。実際には、戻すのにかかる手間の大きさに段階があります。
- 調味料の配置=数分で元に戻せる
- サプリ=やめること自体はすぐできるが、体調や安全の確認は別
- PCデスク=戻せるが、処分や買い替えに手間とお金がかかる
- 衣類の処分=手放した同じ物そのものは戻ってこない
- 職場の書類様式=自分一人の判断では戻せない
下に行くほど、元の状態へ戻すのが難しくなっていきます。お金がかかるものもあれば、同じ物そのものが戻らないもの、他の人まで関わるものもあります。私は、この段階を見て、どこまで慎重に考えるかを変えています。
職場では、「自分だけで戻せるか」も見る
家庭での判断は、主に手間やお金が中心です。でも職場では、それとは別の理由で戻しにくくなることがあります。
書類の様式を変えたいと思うのは、実際の運用と様式が合っていないと感じたときです。でも、その様式を決める権限は自分にはありません。まず他のスタッフに聞いて、実際にどう使われているかを確認するところから始めます。
そのうえで、上司や責任者に相談し、やり取りをしてから変更します。物の配置を変えるときは自分の判断だけで戻せますが、書類の様式は自分一人の判断では戻せません。他の人が関わってくる分、確認する手順も増えます。物の配置なら、明日には元に戻せます。書類の様式は、確認や調整に日にちがかかります。
私は、職場では「自分だけで元に戻せるか」も、考える重さを決める材料にしています。
この分け方をするようになったきっかけ
もともと、新しいことをいろいろ試してみたい性格です。特別な出来事があって、この考え方に変わったわけではありません。
家具の配置を変えたり、新しい生活習慣を試したりすることは、昔からよくやっていました。試してみて、しっくりくるものを残すというやり方も、そのひとつです。
強いて言うなら、本や動画でミニマリストの考え方に触れたことで、それまで感覚でやっていたことが、自分の中で少し整理されました。
配置を変えては元に戻し、習慣を試してはやめる、ということを繰り返すうちに、戻せるものなら、最初から正解を当てようとしなくていい、と考えるようになりました。
今は、何かを試すかどうかを考えるときに、内容の大きさだけでなく、合わなかったときにどれくらい戻せるかも見るようにしています。
それでも、迷う時はある
こう決めていても、戻せるはずのことで迷ってしまう日はあります。
この基準があっても、迷うこと自体がなくなるわけではありません。私は、迷ったときに「戻せるか」「戻すのにどれくらいかかるか」を判断材料の一つにしています。
今日できる、小さな一歩
最近迷っていることを一つ思い浮かべて、「あとで戻せるか。戻すなら、どれくらい手間やお金がかかるか」を一度だけ見てみてください。
戻せるなら、今日はそれだけで十分です。試すかどうかは、また今度でもかまいません。
おわりに
決断の重さは、内容の大きさだけでなく、戻すのにどれくらい手間やお金がかかるかでも測っていい。私はそう考えています。
戻せることと戻しにくいことを、同じ重さで考えない。考える時間を分けています。
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