リモコンを持ったまま、少し考える。
部屋は暑い。でも、まだ我慢できないほどではない気もする。先月の請求を思い出すと、指が止まる。
猛暑日が続く時期は、この迷いが毎日やってくる。——そんな人に向けて書きます。
先に結論を言うと、これは我慢が足りないという話でも、もっと使いなさいという話でもありません。家計を削るときに、ここだけは削らないと決める時間を一つ持っておく、という話です。
電気代が気になるのは、使っている金額が見えにくいから
食費や日用品と違って、電気代は使ったその場で支払額が見えにくいものです。
レジで払う買い物なら、その場で「今日はいくら使った」と分かります。でも電気は、使った分が翌月にまとめて届く。請求額を確認するまで、「今どれくらい使っているのだろう」と気になる人もいると思います。
金額が見えないまま使うことが、冷房そのものより落ち着かない。「まだ我慢できる」と思ってリモコンを置くのは、暑さに強いからではなくて、この見えなさが落ち着かないからなのかもしれません。

暑さを我慢しすぎる前に、守る時間を決めておく
暑い部屋では、落ち着いて休みにくかったり、寝苦しく感じたりする日があります。
だからといって、一日中ずっと冷房を使わなければいけない、という話ではありません。
たとえば、夜に眠る時間や、夜勤明けに休む時間だけは、無理をしすぎない。自分にとって翌日に響きやすい時間を一つだけ、削らない時間として決めておく。そういう方法もあると思います。
※体調に異変を感じるほど暑いときや、熱中症警戒情報が出ているときは、節約の判断より、まず涼しい環境へ移ることを優先してください。
全部を使い放題にする、という話ではない
とはいえ、「体のためだから気にせず使いましょう」とも言えません。
電気代は実際に負担です。特に低い収入で暮らしていると、月に数千円の差でも大きい。「体が大事」と言われても、それで払える金額が増えるわけではありません。
だから、全部を緩めるのではなく、順番を決めるほうが現実的だと思います。
家計が苦しいと、目についた支出から少しずつ削りたくなります。食費、通信費、娯楽費、光熱費。すべてを同じように我慢の対象へ入れると、自分の暮らしを保つために必要な支出まで、迷わず削ってしまうことがあります。
先に「ここは削らない」と決めておく。そうすれば、少なくともその支出まで、毎回ゼロから迷わなくて済みます。
どこを削らないかは、人によって違う
削らない時間は、人によって違っていいと思います。
暑さがこたえる人なら、夏の夜。寒さのほうがきつい人なら、冬の朝。眠りが浅い人なら、寝ている時間帯そのもの。
大事なのは、正解を選ぶことではなくて、自分にとって「ここを削ると翌日に響く」時間を一つ決めておくことだと思います。
夜勤明けの昼間は、特に迷いやすい
夜勤明けに眠る時間は、外が一番暑くなる時間帯と重なることがあります。
部屋を暗くして、一人で眠るだけだからこそ、「自分ひとりのために冷房を使うのは」と迷う日もあります。
それでも、暑さで何度も目が覚めることが続いているなら、眠る時間だけは削らない時間に入れる方法もあります。
毎回そうしなければいけないわけではありません。自分が翌日まで引きずりやすい場面を知っているなら、その時間を守る選択肢も残しておいてよいと思います。
お金をかけずにできることもある
削らないと決めたうえで、支払いを少しでも軽くする方法はあります。
エアコンのフィルターにほこりが溜まっていると、効きが悪くなることがあります。フィルターを外せる機種なら、取扱説明書を確認しながら掃除する方法もあります。
日中、直射日光が入る部屋なら、カーテンなどで日差しを遮ると、室温の上昇を抑えやすくなります。扇風機やサーキュレーターを一緒に使うと、設定温度を下げすぎずに済むこともあります。
どれも劇的に安くなる方法ではありませんが、我慢の量を増やさずにできることです。
なお、「つけっぱなしのほうが安い」という話をよく聞きますが、これは部屋の広さや機種、外出時間によって変わります。自分の環境で必ずそうなるとは限らないので、鵜呑みにしなくていいと思います。

家の外に、涼しい場所を持っておく
自宅で長時間冷房を使うのが難しい日は、図書館などの公共施設や、地域のクーリングシェルターを確認する方法もあります。
場所や開放時間は自治体によって違うので、住んでいる地域の情報を調べておく必要があります。
夜勤明けに眠る時間には使えませんが、休日の日中などには選択肢になります。すべての時間を、自宅の電気代だけで乗り切らなくてもよいのだと思います。
今日できる、小さな一歩
もし何か一つだけ試すなら、冷房をつけるか迷いやすい時間の中から、「ここだけは我慢しすぎない」と決める時間を一つ選んでみてください。
夜に眠る時間でも、夜勤明けに休む時間でも構いません。一日中使うと決める必要はありませんし、金額を計算する必要もありません。
自分にとって一番困りやすい時間だけ、毎回ゼロから迷わなくて済むようにしておく。今日は、その時間を一つ決めるだけで十分です。

おわりに
電気代が気になって冷房を迷うのは、節約が下手だからでも、我慢が足りないからでもないと思います。
金額が見えにくい支出だからこそ、使うたびに判断が必要になります。
全部を気にせず使う必要はありません。ただ、自分にとって一番困りやすい時間だけは、「ここは削らない」と先に決めておく。無料でできる工夫も組み合わせながら、毎回リモコンを持ったまま迷わなくて済む形を探してよいのだと思います。
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