ふるさと納税は余裕がある人の話だと思っていた人へ。返礼品は「いつも買う物」を選ぶ

整える暮らし

「ふるさと納税」という言葉は、よく聞きます。

やったほうがお得だよ、と言われることもあります。

でも、なんとなく、お金に余裕がある人の話のような気がして、手を出せていない。

手続きも難しそうだし、低収入で毎月ぎりぎりの自分には、関係ない話だと思っていました。

私も、長いあいだそう思っていました。

でも、実際に頼んでみたのは、カニでも高級なお肉でもなく、トイレットペーパーでした。

そして、使い方によっては、低収入の暮らしでも助かる面があると感じました。

ふるさと納税に手を出せていないのは、あなたが勉強不足だからでも、面倒くさがりだからでもありません。

仕組みが分かりにくく、自分の暮らしにどう関係するのか見えにくいうえに、「お得な人の話」のように説明されることが多いだけかもしれません。

この記事は、整える暮らしシリーズ第52話です。

贅沢をするためではなく、いつもの出費を少し軽くするために、ふるさと納税をどう使うか。そんな整え方をまとめます。

ふるさと納税のサイトを眺めながら考える、静かな食卓

「お得な人の話」に見えるだけで、低収入にも関係はある

ふるさと納税の説明は、たいてい「実質負担2,000円で豪華な返礼品がもらえる」という形で語られます。

高級なお肉、カニ、ブランド米。

そういう写真が並ぶので、お金に余裕のある人の楽しみのように見えます。

でも、本当のところは、少し違います。

ふるさと納税は、贅沢をするための制度というより、「払う予定だった税金の一部を、先に品物に換えておく」ような仕組みです。

だから、もらう物を「ごちそう」にするか、「いつも買う物」にするかで、意味が大きく変わります。

豪華な返礼品を選べば、贅沢の話になります。

でも、いつも買っている物を選べば、生活の出費を軽くする話になります。

低収入の暮らしに効くのは、後者のほうです。


仕組みは、ざっくりこれだけ

細かい話は置いておいて、大まかな流れだけ書きます。

自分の「上限額」の範囲で、応援したい自治体に寄付をします。

すると、上限額の範囲内であれば、自己負担の2,000円を除いた分が、所得税や翌年度の住民税から控除されます。

あとで紹介する「ワンストップ特例」という仕組みを使う場合は、主に翌年度の住民税から差し引かれる形になります。

そして、寄付のお礼として、返礼品が届きます。

ただし、これは上限額の範囲内で、必要な手続きをした場合の話です。

その条件を満たせば、最終的な自己負担を2,000円程度に抑えながら、返礼品を受け取れる、という仕組みです。

「誰でも必ず2,000円で得をする」と考えるより、まず自分の上限を確認してから使う制度、と見ておくほうが安心です。

そして、いくらでも寄付していいわけではありません。

差し引いてもらえる金額には、「上限」があります。

この上限は、年収や家族構成で決まります。

そして、収入が低いほど、上限の枠は小さくなります。

くわしい金額や条件は、その年の制度や一人ひとりの状況で変わるので、ふるさと納税サイトのシミュレーターや、お住まいの自治体の案内で、必ず確認してください。


返礼品は、ごちそうより「いつも買う物」を選ぶ

ここが、この記事でいちばん伝えたいところです。

私が選んだのは、トイレットペーパーやボックスティッシュ、それからお肉やお米でした。

豪華な物ではありません。

トイレットペーパーもティッシュも、生きていれば必ず使う物です。

放っておいても、毎月、確実にお金が出ていきます。

その「必ず出ていく出費」を、ふるさと納税に置き換えておく。

そうすると、しばらくのあいだ、買わずに済みます。

夜勤や遅出で買い物に行く気力がない日でも、トイレットペーパーやティッシュの在庫があるだけで、少し助かります。

ふるさと納税で届いた日用品の段ボール箱

ただ、一つだけ、正直に書いておきます。

日用品の返礼品は、届く量がかなり多いです。

トイレットペーパーもボックスティッシュも、一人暮らしだと、すぐには使い切れないくらいの量が、一度にどっと届きます。

置き場所を決めておかないと、狭い部屋では、箱が場所を取って、かえって邪魔に感じることもあります。

だから選ぶときは、「お得かどうか」だけでなく、「この量を、どこに置いておけるか」も一緒に考えておくと、あとで困りません。

お肉やお米も、ふだんの食費の足しになります。

特別なごちそうとしてではなく、「今月の食費が少し浮いた」という感覚に近いです。

ただ、冷凍のお肉や、お米のようにかさばる物は、入る場所や量を、頼む前に見ておくと安心です。

贅沢な返礼品は、見ていて楽しいです。

ただ、毎月の出費を軽くしたいなら、いつも買う物を選んだほうが、暮らしには反映されやすいと感じました。

固定費そのものを下げる話とは、少し違います。ふるさと納税は、毎月の支払いを直接減らすというより、いつも買う物を返礼品で受け取って、買い物の回数や出費を少し減らす使い方です。


低収入だからこそ、無理はしない

いいことばかり書いてきましたが、注意したいこともあります。

まず、ふるさと納税は、先にお金を出す制度です。

寄付したぶんが税金に反映されるのは、翌年です。

だから、家賃や光熱費、カードの支払いで手元がきつい月に、無理して使うものではありません。

「あとで戻るから」と思って、今を削ってしまうと、本末転倒です。

それから、さきほど書いたとおり、上限の枠は、収入が低いほど小さくなります。

無理に上限いっぱいまで使おうとせず、年間の上限の範囲内で、手元のお金にも余裕がある時だけで十分です。

ふるさと納税は、得をするために頑張る制度ではありません。

いつも出ていく出費を、無理のない範囲で、少し軽くするために使う。

それくらいの距離感が、低収入の暮らしには合っています。


手続きは、思っているより重くない

「確定申告が必要なんでしょう」と、身構えてしまうかもしれません。

でも、もともと確定申告が不要な給与所得者で、寄付先が1年で5つの自治体までなら、「ワンストップ特例」を使える場合があります。

申請書を出しておけば、原則として、確定申告をしなくても控除を受けられます。

ただし、医療費控除などで確定申告をする年は、ふるさと納税の分も、あわせて申告が必要になります。

介護の仕事をしながら、確定申告まではちょっと、という人でも、ワンストップ特例なら始めやすいと思います。

最初から完璧にやろうとせず、まずは1つだけ、試してみるくらいで十分です。


上限額や家計を静かに確認する手元まわり

今日できる小さな一歩:自分の上限額を、一度だけ見てみる

今日やることは、一つだけです。

ふるさと納税サイトのシミュレーターで、自分の上限額が、だいたいいくらかを見てみます。

年収や家族構成などを入れると、おおよその目安が出ます。

寄付をするのは、その次からで大丈夫です。

「自分の枠は、これくらいなんだ」と知るだけで、十分です。

ふるさと納税に手を出せていなかったのは、あなたが勉強不足だからではなく、自分に関係ある形で語られてこなかっただけです。

ごちそうではなく、いつも買う物を選ぶ。

それだけでも、毎月の出費を、少し軽くするきっかけになります。


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