お風呂に入るまでが長い人へ。最初の一動作だけ、決めておく

整える暮らしシリーズの片付け系アイキャッチ画像 整える暮らし

入らなきゃ、とは思っている。

でも、座ったまま動かない。スマホを見て、そのまま時間が過ぎていく。気づいたら、さっきよりもっと面倒になっている。

——そんな夜がある人に向けて書きます。

先に結論を言うと、動けないのは、だらしないからとは限りません。体が疲れているうえに、「お風呂に入る」の中にある動作を全部まとめて思い浮かべて、さらに重く感じていることがあります。

そんな日は、入浴全体ではなく、最初の一動作だけを見る方法があります。

「お風呂に入る」は、一つの動作ではない

改めて分けてみると、入浴はいくつもの動作でできています。

服を脱ぐ。湯を出す。体を洗う。髪を洗う。出る。体を拭く。着替える。

一つひとつは短い動作でも、最初から最後までをまとめると、かなり大きな作業になります。疲れている日に全部が一度に見えると、始める前から重く感じることがあります。

重いのは、全部が一度に見えているから

最初の一動作だけならできそうでも、そのあとに続くことまで一度に考えると、動けなくなることがあります。

洗って、出て、拭いて、着替えて、必要なら髪を乾かす。その全部を今から始めるように感じるから、最初の一歩まで遠くなるのかもしれません。

動けないのは、体力が残っていないからだけではなく、そのあとに続く動作が全部見えていることも関係しているのかもしれません。

体の疲れをなくすことはできなくても、今見る動作を一つだけにすることはできます。

もう一つ、やっかいなことがあります。座っている時間が長くなるほど、立ち上がるのがさらに重くなることです。

体が休むモードに入ってしまうと、そこから動き出すのに余計な力が必要になります。時間が経てば楽になるわけではなく、遅くなるほど遠くなっていく。だから「あとでやる」が効きにくいのだと思います。

夜のリビング。ソファのブランケットとテーブルのスマホ。奥に洗面所の入口が暗いまま見えている

最初の一動作だけ、先に決めておく

入浴全体を始めようとせず、その前にある一動作だけを決めておく方法があります。

たとえば、「タオルを出す」。

疲れた夜に毎回選ぶのではなく、最初の一動作はこれ、と先に固定しておきます。選ぶこと自体が、疲れている日には負担になるからです。

選ぶときの目安は、途中でやめても困らない動作かどうかです。

たとえば「湯を入れる」を最初の一動作にすると、そこで止まったときに水道代やガス代がかかります。「せっかく入れたのだから」という気持ちも生まれて、かえって重くなります。

タオルを出すだけなら、お金もかかりませんし、そのまま置いておいても困りません。やめても損がない動作のほうが、気軽に始められます。

タオルを出したあと、そのまま洗面所へ行ける日もあります。そこで止まる日があっても構いません。

ついでに言うと、タオルの置き場所が座っている場所から遠いと、その一動作すら遠くなります。取り出しやすい場所にあるかどうかも、始めやすさに関わってきます。

大事なのは、タオルを出すことを「このあと必ず全部やる約束」にしないことだと思います。最初の一動作までできたことと、入浴できなかったことを、無理に成功か失敗かで分けなくていいです。

手順を減らすのではなく、最初から全部を見ないようにする。それがこの方法の狙いです。

電気がついて明るくなった洗面所の入口。シャワーの湯気がうっすら立っている

入浴のあとのことまで、一度に始めなくていい

入浴が重く感じる理由には、出たあとの動作もあります。

髪を乾かす必要がある人なら、その時間まで思い浮かべて遠く感じることがあります。浴室の水気を取ったり、使ったタオルを洗濯へ出したりする人なら、それも入浴の一部に見えてきます。

ただ、今からその全部を始めるわけではありません。

最初に見るのは、「タオルを出す」などの一動作だけ。髪を乾かすことや片付けることは、その場面になってから考えていいのだと思います。

夜勤明けや連勤中は、特に遠くなる

夜勤明けや連勤の途中は、入浴までの距離がさらに遠く感じることがあります。

帰って座ったまま動けなくなったり、先に眠ってしまったりする。一度休んだあとでは、改めてお風呂へ向かうのがさらに重く感じる日もあります。

入浴介助を担当した日は、帰ってから自分の入浴まで気が回らないこともあります。利用者さんの入浴を手伝ったあとで、自分のお風呂を一から始めるのが重く感じる日もある。

そういう日にまで、いつもと同じ入り方を求めなくていいのだと思います。

全部そろわなくてもいい日がある

体調が悪い日や、限界まで疲れている日は、湯船に入らずシャワーだけで済ませる日があってもいいと思います。

それも難しい日は、入れなかったことまで、その日の失敗にしなくていい。

毎日同じ形で「ちゃんと入る」ことを条件にしなくても、暮らしは続いていきます。

今日できる、小さな一歩

もし何か一つだけ試すなら、お風呂の前にする動作を、一つだけ決めておいてください。

たとえば、「タオルを出す」。疲れた夜は、入浴するかどうかを考える前に、まずタオルだけ出します。

そのあと全部やると決めなくて構いません。今日は、「自分の最初の一動作はこれ」と決めるだけでも十分です。

脱衣所の棚に畳まれたバスタオルとドライヤー。夜のやわらかい明かり

おわりに

お風呂に入るまでが長いのは、面倒くさがりだからでも、生活がだらしないからでもないと思います。

「入る」という言葉の中には、服を脱ぐところから、体を拭き、着替えるところまで、いくつもの動作が入っています。

その全部を、今から始めようとしなくていい。まずは、タオルを出すなど、最初の一動作だけを見る。

続きまでできる日もあれば、そこで止まる日もあります。入れなかった日まで失敗にせず、次に始める入口だけ決めておけばいいのだと思います。


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