迷惑をかけたくなくて、相談が遅くなる人へ。相談は、答えを持っていく場所じゃない

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聞こうと思って、様子をうかがう。

みんな忙しそうにしている。今は手が離せなさそうだ。もう少し落ち着いてからにしよう。そう考えているうちに、時間だけが過ぎていく。

——そんな覚えがある人に向けて書きます。

先に結論を言うと、相談が遅くなるのは、いい加減だからでも、要領が悪いからでもないのかもしれません。いくつかの気持ちが重なって、切り出すタイミングを探し続けてしまうのだと思います。

気を使うほど、切り出すタイミングを探してしまう

相談をためらうときは、相手への気遣いと、自分がどう見られるかという不安が重なっていることがあります。

忙しそうな相手の手を止めたくない。こんなことも分からないと思われたくない。もう少し自分で考えれば、聞かずに済むかもしれない。

どれか一つではなく、いくつかの気持ちが混ざっています。だから、切り出すきっかけがなかなか見つからない。

ただ、相手が今聞ける状態なのかどうかは、見ているだけでは分からないこともあります。こちらだけでタイミングを決め続けるより、聞いてみる方法もあります。

記録用紙とペンが置かれた事務スペースのデスク。日中の光が差し込む、少し慌ただしい気配のある場所

「完成した説明」を用意しようとしていた

もう一つ、相談が遅れる理由があります。

聞く前に、状況を整理しなければと思う。何がどうなっていて、自分はどう考えていて、だからどうしたいのか。そこまで言えるようにならないと、相談してはいけない気がしてくる。

でも、整理できないから困っているわけです。

説明が完成するまで待っていると、いつまでも相談できません。整理できたころには、状況が変わっていることもあります。

相談は、答えを提出する場だけではない

ここが、この記事で一番書きたいところです。

相談は、完成した答えを提出する場だけではないと思います。

自分なりの考えがあれば伝えてもいい。まだまとまっていなければ、「どこから考えればいいか分かりません」と持っていってもいい。分からない状態を、一緒に整理してもらうための相談もあります。

最初から、きれいな順番で説明できなくても構いません。誰についての話か、何が分からないのか、いつから気になっているのか。今分かっていることを一つずつ伝えれば、相手の質問を受けながら一緒に整理できます。

新しい職場や、経験の浅いころほど、この壁は高い

新しい環境にいるときほど、相談のハードルは上がります。

まだ関係ができていないから、相手の反応が読めない。「こんなことも分からないのか」と思われたくない。周りが当たり前にやっていることを、自分だけ聞くのが気まずい。

そうやって聞けないまま、分からないことが積み重なっていく。あとから聞こうとすると、今度は「今さら聞けない」が加わります。

慣れている人は、どの程度で声をかけるかや、誰に聞けばいいかを、経験の中で少しずつ覚えています。経験が浅い時期にその基準が分からないのは、能力がないからとは限りません。まだ、その職場での相談の入口をつかめていないだけかもしれません。

それに、聞きやすさは職場によっても違います。経験のある人でも、相談しにくい場面はあります。聞けないことが続くとき、それが全部自分の性格のせいだとは限らないのだと思います。

今話せるかどうかは、相手にも決めてもらっていい

相手が忙しそうに見えても、今まったく話せないかどうかは、こちらから見ているだけでは分かりません。

急ぎでない相談なら、「今すぐではないのですが、あとで相談できる時間はありますか」と聞く方法もあります。

今聞くのか、少しあとにするのか。そのタイミングまで自分一人で決めず、相手にも選んでもらっていいのだと思います。

テーブルを挟んで椅子が二脚ある小さなスペース。窓から自然光が入る、落ち着いて話せそうな雰囲気

待ってよい相談と、先に伝えることは分けておく

相談の内容によっては、相手の手が空く時間を聞いてから話しても構いません。

ただ、利用者さんの急な変化や、安全に関わることで判断に迷っている場合は、説明がまとまるのを待たず、先に一言伝えていいと思います。

はっきりした理由は分からなくても、「いつもと違うように見えて、判断に迷っています」と伝えることはできます。原因まで決める必要はありません。

今見えている変化を共有することと、判断を丸投げすることは別だと思います。

夜勤は、聞ける相手が限られる

夜勤の時間帯は、日中より人数が少なくなります。

聞きたいことがあっても、相手が別の対応に入っていれば、声をかけるまでにさらに時間がかかる。日中なら誰かに確認できたことも、夜は自分で判断する場面が増えます。

そういう時間帯は、迷ったことを記録に残しておくだけでも違うと思います。その場で相談できなくても、「こう見えたので、こう対応した」と書いておけば、次の勤務の人がそこから続きを見られます。

相談は、その場の口頭だけとは限らないのかもしれません。

夜間の施設の廊下。照明が落とされ、常夜灯だけが灯る静かな時間帯

今日できる、小さな一歩

もし何か一つだけ試すなら、分からないまま相談するときの一言を、決めておいてください。

「うまく整理できていないのですが、一緒に確認してもらえますか」。最初から順番よく説明できなくても構いません。この一言のあとに、今分かっていることを一つずつ話せば十分です。

今日は、実際に相談するところまで進まなくても構いません。入口の一言を決めるだけで終わりです。

なお、利用者さんの急な変化や安全に関わる迷いの場合は、「いつもと様子が違うので、今確認をお願いします」と先に伝えてください。こちらは、整理を待たずに使う言葉です。

おわりに

相談をためらうときは、相手への気遣いや、自分がどう見られるかという不安が重なっていることがあります。

そのうえ、説明をきれいにまとめてから話そうとすると、いつまでも入口に立てません。

相談は、完成した答えを提出する場だけではありません。「分からない」「整理できていない」ところから、一緒に確認してもらう使い方もあります。

今すぐ声をかけられなくても構いません。まずは、分からないまま話し始めるための一言を、一つ持っておく。それだけでも、相談の準備としては十分だと思います。


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