「これは誰かがやったほうがいいな」と気づいた瞬間、もう体が動いていて、気づけば自分の仕事が一つ増えている。誰かに何かを言われたわけではないのに、です。
気づいてしまった以上、見なかったことにもしづらく、かといって誰かに言うほどのことでもない気がして、結局自分で片付けることになります。
気づいたら、先に動いてしまう
気づいてしまうと、そのままにしておくのが落ち着きません。誰かに指摘されるより先に、自分で片付けてしまったほうが早い。そう思って、手を動かしてしまいます。特に、同じ場所を何度も通る仕事だと、気づく回数そのものが増えていきます。
以前はそうやって、気づいたことを人に言わず、自分で対応していました。

抱えているのは、自分の仕事だけではなくなっていた
一つひとつは小さくても、気づいた分まで自分で引き受けていると、いつの間にか自分の仕事以外も抱えるようになっていました。抱えている自覚がないまま増えていくぶん、忙しさの理由が、あとから振り返っても分かりにくくなっていました。
これは責任感が強すぎるとか、抱え込みやすい性格だけの話やないと思っています。気づくこと自体が悪いわけやなくて、「気づいた」と「自分がやる」の間に、もう一つ判断があってもええんです。この二つを、無意識のうちにひとつなぎにしてしまっていただけでした。

気づいたら、まず伝えてみることにした
気づいたときにできることは、自分でやるか、見過ごすかの二択やないと気づいて、今は気づいたことをそのまま伝えるようにしています。
- 気づいたことを、そのまま伝える(「直しておきました」ではなく「ここ、こうなっていました」まででいい)
- 誰が対応することなのかを確認する
- 自分がやる必要がなければ、実際の作業はその人に任せる
伝えるようにして気づいたのは、やり方が共有されていなかったり、その仕事をする必要があること自体が伝わっていなかったりする場合もあるということでした。黙ってやっていたときは、そこが見えていませんでした。誰かをうっかり者だと責めたいわけやなく、情報が行き渡っていなかった場合もありました。自分で直してしまうと、その情報が共有される機会そのものがなくなります。
自分で直せば、その場では終わります。でも、伝えれば「なぜそうなっていたのか」まで分かることがあります。伝える回数が増えた分だけ、周りとのやり取りも少し増えましたが、それは負担というより、これまで見えていなかった分担が見えるようになった結果やと感じています。

毎回きれいに使い分けなくていい
今のやり方を、毎回きれいに使い分けられる必要はありません。
利用者さんの安全に関わることや、期限が決まっている業務は、気づいた人がその場で対応したり、責任者へすぐに共有したりします。それ以外の、少し先延ばしにしても大きな支障が出ない気づきについては、分からないまま自分だけで抱えず、周りに一声かけて確認する選択肢も残しておけます。
伝えても動かない場合や、自分が確認する必要のある仕事もあります。それでも、気づいたことをすべて自分の仕事にせんでもええ、という前提だけ持っておくと、抱え込みすぎたときに立ち止まりやすくなります。もともと気づいたことをすぐ自分で片付けても特に困っていない人は、今のやり方のままで大丈夫です。
今日できる、小さな一歩
最近、気づいて自分で片付けたことを一つだけ思い出して、「気づいたあと、自分でやる必要まであったか」を見てみてください。
今日から誰かに頼む必要はありません。「自分でやる」以外の選択肢があったかを、一度考えるだけで十分です。
おわりに
気づいた瞬間に、自分で処理する仕事になったわけではありません。
気づく力があることと、それをすべて自分で引き受けることは、本来別の話です。気づく力を鈍らせる必要はなく、その先の引き受け方だけを、少し見直せればいい。
気づいたら、まず伝えてみる。それだけでも、気づいたものを全部自分で抱える以外の選択肢ができます。気づく機会そのものは、これからも変わらずあります。その先をどう扱うかだけ、今日から少しずつ変えていけたらいい。
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