お金の不安が消えない人へ。結果ではなく「今日動かせること」を見る

整える暮らし

給料日のあと、通帳やアプリを開いて、思ったより残っていないことに少し落ち込む。

夜勤明けや遅出終わりで疲れている時ほど、なぜか残高だけ確認して、余計に気持ちが沈むことがあります。

貯金の残高を見るたびに、「このままで大丈夫なんだろうか」とぼんやり不安になる。

でも、何をどうすればいいのかは分からなくて、結局そっとアプリを閉じる。

——そんなふうに、お金の不安だけが消えずに残っている人に向けて、今日は書きます。

テーブルに置かれたスマートフォンとマグカップ、家計を確認する一人暮らしの朝の様子

結論から言うと、お金の不安が消えないのは、あなたの計画性がないからではありません。「自分ではどうにもできないもの」ばかりを見ているからかもしれません。

不安が消えないのは、だらしないからではない

先に言っておきたいのは、お金の不安が頭から離れないのは、あなたがだらしないからでも、お金にルーズだからでもない、ということです。

むしろ逆で、ちゃんと将来のことを考えているからこそ、不安になります。

少なくとも、残高を見て落ち込むくらいには、ちゃんと気にしているということです。

問題は「気持ちの強さ」ではなく、見ている対象にあります。

いくら真剣に見ても、それが自分の力でどうにもできないものだったら、出てくるのは焦りと無力感だけです。頑張って見つめるほど、しんどくなる。

だから、気合いの問題ではなく、「どこを見るか」の問題なのだと思います。

お金には「動かせるもの」と「動かせないもの」がある

お金にまつわることを、ざっくり2つに分けてみます。

ひとつは、今すぐには動かせない「結果」です。

  • 今ある貯金の総額
  • 老後に必要だと言われる金額
  • もらえる年金の額
  • すでに決まっている今月の収入

これらは、今日の自分が何をしても、その場では変わりません。大きすぎて、見ても「足りない」という事実を突きつけられるだけです。

もうひとつは、今日の自分が動かせることです。

  • 今月、自由に使えるお金がいくらか
  • 固定費の中で、ひとつだけ見直せるものはないか
  • なんとなく続けている支払いはないか

こちらは小さいけれど、手が届きます。自分の判断で、今日変えられます。

お金の不安が止まらないとき、人はたいてい、前者の「結果」ばかりを見ています。すると、自分で動かせる小さなことまで、見えにくくなってしまいます。

結果は、見ても今日は変わらない。だから見るほど無力感が増える。これが、不安がぐるぐる回り続ける正体です。

ここで大事なのは、節約のテクニックそのものではありません。不安になったときに、どこを見るかを変えることです。

「結果」から目を離して、「動かせること」に視線を移す

固定費を書き出したノートとペン、お金まわりを見直すための手元

やることは、見る対象をひとつ移すだけです。

「貯金の総額」や「将来いくら必要か」をいったん横に置いて、「今日の自分が動かせるお金」に視線を移します。

たとえば、こんなふうに置き換えます。

貯金の総額を見る → 「今月使えるお金」を見る

総額は、毎月そう簡単には増えません。何度見ても変わらないから、焦るだけです。代わりに「今月、自分はいくらまで使っていいのか」という枠を見ると、ここは今日の行動で守れます。(この「使えるお金を先に分ける」やり方は、別の記事で詳しく書いています。)

「将来いくら必要か」を考える → 「固定費を1つだけ見直せるか」を考える

将来の必要額は、計算するほど気が遠くなります。それより、毎月自動で出ていく固定費の中から、ひとつだけ「これ、本当にいる?」と見直すほうが、今日の自分にできることです。

全部を一気に変えようとする → 今月動かせる「1つ」だけにする

家計をまるごと立て直そうとすると、大きすぎて動けません。今月は1つだけ。それで十分です。

ポイントは、自分で動かせないことを、いったん横に置くことです。見ないふりをするのではなく、今日の自分が動かせる場所に、先に力を使うということです。

残高を見ては閉じる、をくり返していた頃

私自身、夜勤明けの帰り道に、なんとなく通帳アプリを開いて、残高を見ては落ち込んで、そっと閉じる、ということをよくくり返していました。

総額は、何回見ても増えません。当たり前です。でも、見るのをやめられなかった。見れば不安になると分かっているのに、確かめずにいられませんでした。

あるとき、ふと「これ、見ても今日は1円も変わらないな」と気づきました。

それで、見るのを「総額」から「今月のサブスク」に変えてみました。使っていない動画サービスをひとつ、その場で解約しました。金額にすれば、月に千円ちょっとです。

総額は、それでも大して変わりません。でも、残高を何度も見るより、「今日はひとつ動かせた」と思いやすくなりました。

結果は、見ても変わらない。でも、行動は今日ひとつ変えられる。その小さな違いで、ただ不安を眺めている時間から、少しだけ抜け出せました。

今日できる、小さな一歩

窓辺の観葉植物と片付いたテーブルの一角、身軽に整った暮らしの余白

今日はひとつだけ。

貯金の総額を見る前に、「今月、自分で動かせること」を一つだけ見てみます。

使っていないサブスク、なんとなく続けている支払い、今の自分に合わなくなった契約。なんでもかまいません。

ひとつ見つかったら、それで十分です。動かせないものに向けていた視線を、動かせるものに移せた——それだけでも、「今日はひとつ動かせた」と思える日があります。

見つからない日があっても大丈夫です。その時は、「今の自分には、もう削れるものは少ない」と確認できただけでも十分です。

お金の不安が消えないのは、あなたが弱いからではありません。自分ではどうにもできない「結果」ばかりを見ているからかもしれません。不安が強い日は、結果ではなく、今日の自分が動かせることに戻る。それだけでも、ただ不安を眺め続ける状態から、少し離れられることがあります。


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