行事の企画運営を任された。当日は、結果的にうまくいった。参加した人からも、いい感想をいくつかもらえた。
なのに、あとの反省会になると、準備段階でうまくいかなかった一点だけが、やけに大きく感じられる。いい感想の数々は、いつのまにか頭から抜け落ちていて、悪かった部分ばかりを話している。
終わってみれば、うまくいった行事のはずなのに、反省会が終わる頃には、なんだか自分がダメだったような気持ちになっている。——そんな人に向けて書きます。
先に結論を言うと、それは、あなたが謙虚だからでも、自己評価が低いからでもないかもしれません。良かった点が、振り返りの材料から抜け落ちてしまっているだけなのだと思います。

落ち込むのは、謙虚さのせいではない
まず言っておきたいのは、良い評価をいくつも受け取っているのに、一つの反省点だけが大きく感じられるのは、あなたが自分に厳しいからでも、卑下しているからでもない、ということです。
私の場合、良い評価と反省点は、同じようには残りませんでした。準備の間ずっと気にしていたことのほうが、反省会の頃まで頭に残っていました。
良い感想は、その場ではうれしくても、あとから思い出そうとすると、具体的な言葉が抜け落ちていることがあります。一方で、準備の途中で気になったことは、当日を迎えるまでの間、何日もかけて気にし続けています。記憶に残る時間そのものが、最初から違うのだと思います。
良い評価は流れ落ち、反省点だけが残る
私の評価の受け取り方を、ざるに例えると分かりやすいかもしれません。
「よかったです」「助かりました」という言葉は、聞いた瞬間はうれしくても、反省会の頃には薄くなっています。ざるの目から、そのまま流れ落ちてしまうような感覚です。一方で、準備中に気になった一点は、ざるに引っかかったように残り続けます。
その結果、振り返る頃には、悪かった点だけが手元に残っているように感じます。反省会で話す内容も、自然とそちらに偏っていきます。
私の場合、行事の反省会でこれが起きます
私が行事の企画運営を任されたときにも、同じことがありました。
当日は大きな混乱もなく終わり、参加してくれた人から、良い感想もいくつかもらえました。それでも反省会では、準備段階でうまくいかなかった一点ばかりを、自分から取り上げて話していました。
準備の間、その一点だけがずっと気になっていたんだと思います。良い感想も確かにあったはずなのに、反省会が終わる頃には、その一点だけで行事全体を見ていました。

良かった点を、先に書いて残す
そこでやってみているのは、反省点を考える前に、良かった点を一つ書いて残しておく、という方向です。
これをやらないと、良い評価はざるから流れ落ちたまま、振り返りの材料に残りません。反省点は、次に直すための情報です。それだけで、行事全体や自分自身の評価が決まるわけではないのだと思います。
改善点には、必要な時間をかけて向き合います。ただ、改善点を見ることと、良かった点をなかったことにすることは別です。うまくいかなかった点を直しながら、うまくいった点も次に残す材料として書いておいてよいのだと思います。
反省会の場では、悪かった点の話のほうが、自然と時間をかけやすいものです。直す必要があるぶん、具体的に話すことも多くなります。だからこそ、良かった点のほうは、意識して先に確保しておかないと、話す機会そのものがないまま終わってしまいます。
書き方は、難しく考えなくていいと思います。手元のメモや手帳に、一言でいいので残しておく。「参加者から○○と言ってもらえた」だけでも十分です。反省点を書くよりも先に、その一言を書いておくだけで、あとで振り返ったときに、良かった点も一緒に思い出しやすくなります。
介護の仕事にも、振り返りの場面がある
介護の仕事では、行事の反省会や家族対応、上司との面談など、感想を聞いたり、改善点を振り返ったりする場面があります。その場では良い言葉もうれしく感じていたのに、あとあとまで考えているのは、気になった一点だけ、という日もあります。
私自身、行事の反省会で、良かった点が抜け落ちるような振り返り方をしていました。準備にかけた時間が長いぶん、うまくいかなかったことへの意識も、それだけ長く続いていたのだと思います。
反省点の重さを、軽くする話ではない
念のため書いておくと、これは、反省点を軽く扱っていい、という話ではありません。
利用者さんの安全に関わることや、ご家族からの指摘など、丁寧に向き合うべきこともあります。この記事で言いたいのは、反省点の重要性を下げることではなく、良かった点まで消してしまわないことです。反省点はきちんと見る。そのうえで、良かった点も、なかったことにしない。それだけです。
今日できる、小さな一歩
もし一つだけ試すなら、次の反省会や振り返りの前に、良かった点を一つだけメモしてください。
反省点を考えるのは、そのあとで大丈夫です。良い評価を忘れないために、一つだけ先に残しておきます。

おわりに
良い評価をいくつも受け取っているのに、一つの反省点だけが大きく感じられるのは、謙虚さや自己評価の低さだけが理由ではないのかもしれません。
私の場合、良い評価は流れ落ちやすく、反省点だけが振り返りに残っていました。
だから、反省点を考える前に、良かった点を一つ書いて残しておく。反省点があっても、うまくいった部分まで、なかったことにしなくていいと思います。
次に読む
他人には優しくできるのに、自分には厳しい人へ
疲れた自分を「親友」だと思って扱う、という話です。
→ 他人には優しくできるのに、自分には厳しい人へ
やる前から「どうせ無理」と思う人へ
まだ起きていない失敗を、事実として扱わない話です。
→ やる前から「どうせ無理」と思う人へ。まだ起きていない失敗は、事実ではない
一つの出来事で「自分はいつもダメ」と思う人へ
事実の範囲に話を戻す、という話です。
→ 一つの出来事で「自分はいつもダメ」と思う人へ。事実の範囲に戻す
疲れをためない暮らしの記事を、まとめて読みたい人へ
休み方・疲れまわりの記事をまとめています。
→ 疲れをためない暮らしの記事まとめ


コメント